退屈なあらすじのせいで
不意に滑り出す濡れた路面
出口を探し続けてた軒下の煙り
雨降りの夜にぼやいてる
くたびれた止まり木の奥で
同じ言葉ばかり繰り返す
喉元過ぎて冷めるころ
涙目になって
部屋中が回りだす
紫色の苦い一粒で目覚めて
もう一度夢の中へ
滲んだ薄明かりをぼんやり眺めてた
今はただ、床の上
濡れたままの足を投げ出す
数えきれないウソが束になって
窓の外をたたく音
目の前の壁ににうなづいて
明日は誠実であれと誓う
見上げれば、ほら
眠たげな時計の針まで
自棄になって動き出す
誰も知らない、まっさらな紙いっぱいに
この日を描き切る
いつまでも空に張り付いた雨雲に
これ以上何を願う?
琥珀の水に溶けた足取りで
演じる、古い名作の世界
気づけば一人きりで熱に浮かされてた
そしてドアの向こう
震えながら足を踏み出す
よろけながら踏み出す
雨の中へ
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