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ワルツ、あらゆる意味において
Waltz, in any way

by 摺本拓也

平たいはずの地面が
少し浮いてる
それでもまだ
真っすぐに立っていられる

待ちかねてた結末は
いつも同じ
そう、今更素直になれない

思わず吸い込んで
めまいをおぼえる
嗚呼、今になって更なる悲劇

まどろみ始める
気怠いこの空で
望んだものは
気楽な見世物

長い吐息で
毎日を吹き消す
この夢がいつか終わる時まで

もう何にも欲しくない
目新しいだけの
行動規範、スレた生きかた


わずかな危険もないと
言い切れないさ
隠れている
絵札の意味すら知らない

後ろ向きで歩いても
迷うことなく
たどり着ける
そんなウソばかり

いつでもほどほどに
毒になる前に…
嗚呼、甦るいつかの悲劇

時には無欲な聖者のふりをして
遊び疲れた頃
また素に戻ろう

言葉にならない
思いは飲み込んで
もっと手早く
少しは気高く

宙に浮かんだ
空(から)の世界でも
慰めになるとしたら
そう、今日の痛みも
あくび一つで忘れてしまおう

Copyright Surimoto 2018

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